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症状と診断の疑問に徹底回答

症状と診断の疑問に徹底回答

どんな病気があると脳卒中になりやすい?

  • 一番の原因疾患は?
    • Q1.脳卒中の要因となる病気があると聞き、心配になりました。注意すべき病気は何ですか?

      A1.動脈硬化を促進させる高血圧に要注意


      脳卒中の原因の多くは動脈硬化。そして、動脈硬化を進行させ、脳卒中のリスクを高めるのが、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病です。なかでも高血圧は注意が必要で、血圧の高い人が脳卒中を発症する危険性は、正常血圧の人の4〜6倍といわれています。脳出血の場合、原因の8割以上は高血圧によるものです。脳梗塞の一種であるラクナ梗塞も、高血圧が大きなリスクになります。

      血圧が高くなるほど、脳卒中の発症率も上がりますが、「血圧がある値を超えると発症する」というわけではなく、長期にわたって高血圧が続くことがリスクとなります。(高血圧の状態が長く続くと脳の血管が圧力に耐えられなくなり、破れて出血が起こりやすくなります)

      さらに屋内と屋外で温度差の大きい冬や、興奮したとき、排便時などは、血圧が急激に上昇するので、脳卒中の発作を起こしやすくなります。高血圧や動脈硬化を指摘されている人は、発症リスクが高いので注意が必要です。

  • 糖尿病と脳卒中の関係は?
    • Q2.軽い糖尿病があり、食事療法をしています。合併症には注意していますが、脳卒中に原因にもなると聞き、驚いております。なぜ、糖尿病から脳卒中になるのですか?

      A.2血液中の余分な糖分が血管を内側から傷つける


      糖尿病は血液中の糖分が増える病気です。血糖値が高い状態が続くと、全身の血管が障害されるので、動脈硬化が促進され、血栓ができやすくなります。糖尿病の人は、糖尿病ではない人に比べ、2〜3倍脳梗塞になりやすく、また再発率も2倍近く高いことが分かっています。脳卒中の予防のためにも、糖尿病などの生活習慣病をしっかり治療しましょう。

  • 太っていると脳卒中になりやすい?
    • Q3.会社の健康診断でメタボリックシンドロームと診断され、糖尿病や脂質異常症にならないよう、痩せるように注意されました。脳卒中も太っているとなりやすいのですか?

      A3.肥満は脳卒中を引き起こす大きな原因


      メタボリックシンドロームの診断基準は、腹囲が男性は85cm以上、女性は90cm以上で、血圧・血糖値・血中脂質のうち2項目以上で基準値を超える場合です。周囲が基準値以上ということは、内臓脂肪が多いと考えられます。

      内蔵脂肪が増えると、高血圧や糖尿病、脂質異常症を引き起こしやすいことが、近年の研究で明らかになっています。そして、これらの生活習慣病はいずれも動脈硬化を促進し、脳卒中の原因となる病気です。

      しかも、危険因子が2つ、3つと重なるほど発症の危険が高まります。内臓脂肪を減らし、メタボリックシンドロームを改善することは、脳卒中の予防においても重要なことなのです。

  • コレステロール値が高いと脳卒中を起こしやすい?
    • Q4.健康診断でコレステロールが基準値を超えていることが分かりました。コレステロール値が高いと、脳卒中を起こしやすくなりますか?

      A4.アテローム血栓性脳梗塞はコレステロールが関係


      脳卒中、特にアテローム血栓性脳梗塞の発症には、コレステロールが深く関係しています。LDL(悪玉)コレステロールが多い、あるいはHDL(善玉)コレステロールが少ない状態を、脂質異常症といいます。LDLコレステロールが多いと血管壁に入り込んでアテロームを形成し、動脈硬化を進行させて脳卒中の危険性を高めます。

      一方、HDLコレステロールは、体内の組織で余ったコレステロールを回収し、動脈硬化を予防する働きがあります。つまり、LDLコレステロールが高い場合だけでなく、HDLコレステロールが低い場合も問題となります。また、中性脂肪が高いと、HDLコレステロールが低くなるので、こちらも注意が必要です。

  • 不整脈と脳卒中の関係は?
    • Q5.不整脈があります。心臓病の検査は定期的に受けていますが、脳卒中にも注意するようにと医師に言われました。不整脈と脳卒中にはどんな関係がありますか?

      A5.心臓でできた血栓が脳動脈を詰まらせる


      脳梗塞のなかには、心臓でできた血栓が脳の動脈を詰まらせる心原性脳塞栓症というタイプがあります。その2/3以上は、心房細動という不整脈が原因で起こります。心房細動があると、心房が細かく震えて心臓がうまく収縮できなくなるため、心房内に血液が滞りやすく、血栓ができやすいのです。

      心房細動などの不整脈がある人は、心臓病だけではなく脳卒中にも注意が必要です。



生活習慣や年齢、体質も発症に関係する?

  • タバコは絶対にダメ?
    • Q6.1日1箱の喫煙を30年続けています。妻は、がんだけではなく脳卒中にもなりやすいからと禁煙をすすめます。なぜ、タバコがいけないのですか?

      A6.タバコは百害あって一利なし!今からでも禁煙を!


      タバコを吸うと、ニコチンの血管収縮作用によって血圧が上昇し、脳に流れる血液量が低下します。煙に含まれる一酸化炭素は、体を酸欠状態にして心拍数を増加させ、善玉コレステロールを減らして、悪玉コレステロールを増やします。

      これらのことが複合して、動脈硬化が促進され、脳の血管に負担がかかり脳卒中を起こしやすくなるのです。まさに喫煙は「百害あって一利なし」です。禁煙すると、その効果は数年で現れ、5年以上経つと非喫煙者と同じレベルまで危険性が低下します。禁煙するのに遅すぎるということはありません。今からでも禁煙にチャレンジすることをおすすめします。

  • 飲酒も脳卒中に関係ある?
    • Q7.夫はお酒が好きで、晩酌を欠かしません。胃や肝臓に悪いのではと心配ですが、お酒は脳卒中とも関係がありますか?

      大量飲酒は脳卒中の引き金に


      過度の飲酒は肥満、脂質異常症、糖尿病、高血圧などの生活習慣病を引き起こして脳卒中のリスクを高めます。くも膜下出血や脳出血は、飲酒量に比例して発症率が上昇します。

      適量の飲酒は、善玉コレステロールを増やすなど、体に良い影響もありますが、日常的に飲むのは少量にとどめましょう。また、週に1〜2日はお酒を飲まない(休肝日)を設けます。ただし、これまでに脳卒中を起こしたことのある人や、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓病、肝臓病などのある人は、できるだけ飲酒を控えたほうがいいでしょう。

  • ストレスも原因になる?
    • Q8.友人がストレスから体調を崩しました。ストレスはいろいろな病気の原因になると聞いていますが、脳卒中を引き起こすこともあるのですか?

      A8.血圧を上昇させて発症させやすい


      脳卒中は血圧の急激な変動で起こりやすく、ストレスは血圧の変動に関係しています。精神的なストレスで感情が不安定になり、イライラしたりカッとなったりすると、血圧が急に上昇します。

      脳卒中のリスクを下げるためにも、精神的にリラックスした生活を送りましょう。急な気温の変化など物理的なストレスでも、血圧が急上昇しやすいので注意が必要です。

  • 脳卒中は遺伝する?
    • Q9.祖父と叔父が脳卒中で亡くなっているので、自分もなるのではないかと心配です。脳卒中は遺伝しますか?

      A9.脳卒中を起こしやすい体質が遺伝する


      くも膜下出血は、遺伝的な素因が強いことが分かっています。その原因となる脳動脈瘤は、動脈壁の一部が先天的に弱いことから発症すると考えられています。こうした体質は遺伝することが多いのです。

      脳梗塞や脳出血の場合も、病気そのものは遺伝しなくても、高血圧や脂質異常症などが家族的にみられる場合があり、生活習慣病になりやすい体質が遺伝すると考えられます。家族や親戚に、脳卒中を起こした人がいる場合は、どのタイプの脳卒中をどんな状況で発症したかなどを聞いておき、予防にいかしましょう。

  • 年をとると脳卒中になりやすい?
    • Q10.年をとったら脳卒中に気をつけたほうが良いと、周りの人が言います。高齢者は脳卒中になりやすいのですか?

      A10.加齢に伴い、血管がかたく、脆くなる


      年をとるほど、血管は弾力を失い、かたく、脆くなります。若いときには、多少血圧が上がっても簡単には破れなかった血管が、高齢になると破れやすくなり、脳出血の発症率が高くなるのです。

      また、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病のリスクも高齢になると高まり、血管壁が厚くなったり血栓ができやすくなったりして、脳梗塞を発症しやすくなります。



脳卒中の発症に早く気付くには?

  • 発症前に気付くことはできますか?
    • Q11.同僚が会社で倒れ、救急車で運ばれました。脳卒中だったそうです。倒れる前に気付くことはできないのですか?

      A11.ポイントは前ぶれを見逃さないこと


      脳卒中は突然発症する印象がありますが、脳梗塞では約3割の人が、本格的な発作の前に一過性虚血発作(TIA)という前兆を経験しています。脳梗塞と同様、血栓が脳の血管に詰まるために起こりますが、血栓は短時間で自然に溶けて、途絶えていた血流が再開するため、症状は一時的で脳の損傷はほとんどありません。

      TIAの症状としてよくみられるのは、手足のマヒや痺れ、顔のゆがみ、口元の痺れ、ろれつが回らない、言葉がでにくい、視野が暗くなる、などです。いずれも体の片側だけに現れるのが特徴です。

      くも膜下出血でも約3割の人に、前ぶれがあったことが分かっています。症状の多くは短時間でおさまる「突然の強い頭痛」です。物が二重に見える「複視」が現れることもあります。TIAの多くは、発症後数分〜数十分でおさまりますが、その後24時間〜1カ月以内に本格的な脳梗塞を起こす危険性が高いとされています。本格的な発作を防ぐためには、前ぶれに気付いた時点で治療を始めることが重要なのです。

      血栓が原因で起こる前ぶれ発作(TIA)を見逃すな!でもご紹介しています。

  • しゃべり方がおかしい
    • Q12.80歳になる父は、最近口がうまく回らなくなりました。また、言葉もとっさに出てこないようです。年のせいでしょうか?

      A12.言語障害は脳梗塞に多い症状です


      TIAかもしれませんから、早急に検査を受けましょう。言語障害は脳梗塞によくみられる症状です。ろれつが回らない、うまく発音できない(特に「ら行」の音)言葉が出てこない、などの症状が現れます。これは、「構音障害」といって、頭では理解できているのに、発声しにくくなるものです。

      そのほか、自分や相手の話している内容が分からなくなったり、文章が理解できなくなる「失語症」が現れることもあります。

  • 見え方がおかしくなる?
    • Q13.突然、舞台の幕が下りたように目が見えなくなりました。すぐに回復しましたが、後で知り合いの医師に聞いたら、脳卒中の疑いがあると言われました。本当ですか?

      A13.頚動脈の血栓などから視覚に障害が


      視覚障害も脳卒中の前ぶれの場合があります。一方の目が急に幕が下りるように、あるいはせり上がるように暗くなって見えにくくなり、数秒〜数分間で回復する視覚障害を「一過性黒内障」といいます。多くの場合、頚動脈でできた小さな血栓が目に通じる眼動脈に流れ込んで、網膜の血行を妨げることで生じます。これらが脳内の動脈に流れ込めば、脳梗塞を起こしかねません。すぐに受診し、頚動脈超音波検査を受けることをおすすめします。

      また、片側の物がまったく見えなくなる「半側空間無視(半側空間失認)」という症状もあります。多くは脳の右側の梗塞で起こる「左半側空間無視」で、見た物の左側を認識できなくなります。食事のとき、左側に置いてある食べ物に気付かず右側の物ばかり食べる、といったことから分かることがあります。歩いていて、左側の物にぶつかったりもします。これらの症状に気付いたら、脳卒中の前ぶれと考え、すぐに受診しましょう。

  • 脳卒中の頭痛の特徴は?
    • Q14.若いころから頭痛があります。最近、頻繁に痛み、痛み方も前より強くなってきました。注意が必要ですか?

      A14.経験のない激しい頭痛が突然起こったら要注意


      脳卒中の前ぶれ、あるいは発作のときの頭痛は、突然起こることが特徴です。くも膜下出血の頭痛は、それまでに経験したことのない激しい痛みで、多くは後頭部に感じます。頭痛とともに、吐き気がする、意識がはっきりしない、などの症状を伴う場合は、脳出血が疑われます。

      頭痛の原因はさまざまで、命に別状がないものもあります。たとえば、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などです。しかし、なかには脳卒中や脳腫瘍などの重大な病気が隠れている場合もあるので、気になるときは、ためらわずに受診しましょう。

      くも膜下出血の頭痛今までに経験したことのない、バットで殴られたような激しい痛みが突然起こる。
      脳出血の頭痛頭痛のほかに嘔吐、意識障害、マヒ、痙攣なども現れる。
      脳腫瘍の頭痛日が経つにつれて痛みが強くなる。せきやくしゃみで痛みが強まる。
      片頭痛多くは頭の片側がズキンズキンと脈を打つように痛む。
      緊張型頭痛頭を締め付けられたような鈍い痛みが長く続く。
      群発頭痛鋭い痛みが1日に1〜数回、一定期間に集中して起こり、突然止むが、数ヶ月〜数年後にまた現れる。



自覚症状はないが、検査で脳梗塞が見つかった

  • 発作を起こさない脳梗塞もある?
    • Q15.検査で小さな脳梗塞があると指摘されました。自覚症状はありませんが、大丈夫ですか?

      無症候性脳梗塞といって検査で見つかる場合も


      マヒや痺れなどの症状は現れないが、MRIなどの画像検査で見つかる脳梗塞を「無症候性脳梗塞」といいます。近年、画像検査の普及により、この病変が発見される例が増えています。脳ドックなどの受診時に見つかることが多いものです。

      最も多くみられるのは、大脳の深いところにできた小さな脳梗塞です。50歳以上の人の2割近くにみられるという報告があり、年齢とともに増加します。高血圧、糖尿病、脂質異常症といった動脈硬化の危険因子をもつ人に多いとされています。

      無症候性脳梗塞があると、将来、脳梗塞になりやすいことが分かっています。今は問題がなくても、安心はできません。症状がないのは、梗塞を起こした部分が小さいため、脳の機能がまだ障害されていないからです。放置すれば梗塞が広がって、いずれは発作を起こします。薬物療法が必要な場合もあるので、医師の指示に従って下さい。

  • 症状がなければ放置してても問題ありませんか?
    • Q16.脳梗塞でも症状が出ないこともあると聞きましたが、本当ですか?症状がなければ放っておいても平気ですか?

      A16.無症状のうちに発見すれば重症にならずにすむ


      脳梗塞の一種のラクナ梗塞は、脳の奥にある細い血管が詰まるタイプで、病巣が小さいため、症状が全く現れなかったり(無症候性脳梗塞)、現れても気付かなかったりすることがあります。多発することが多く、多発性脳梗塞とも呼ばれます。高齢者で、物忘れがひどくなって認知症かと思っていたら、多発性脳梗塞だった、というケースもあります。

      梗塞の大きさは3〜20mmほどで、CT検査では診断が難しいのですが、MRI検査で発見できます。MRIの画像では、脳に小さな穴が開いたように白い斑点が見えます。現在では、無症状でも、放置すれば梗塞が広がり、ゆっくりではありますが進行していきます。しかし、症状が出ないうちに生活習慣病の改善や治療を始めれば、大きな発作を起こす危険性は格段に低下します。

      そのためには、まず高血圧をはじめとする基礎疾患や、喫煙まど、動脈硬化を促進する危険因子を排除することが大切です。また、発症を予防するために、血栓ができるのを防ぐ薬の服用が必要になる場合もあります。高血圧や糖尿病など、危険因子をもつ人は定期的に脳ドックなどの検査を受けて、隠れている脳梗塞を発見するように心がけましょう。

  • 頸動脈狭窄とは?
    • Q17.人間ドックで「頸動脈狭窄」と診断され、治療をすすめられました。自覚症状は特にありませんが、どんな心配がありますか?

      A17.首の動脈の内腔が狭くなっている状態


      頸動脈狭窄は、頚動脈の動脈硬化が進み、血管の内腔が狭くなって血液が通りにくくなっている状態です。頚動脈は、首の左右にあり、脳などに血液を送っている太い血管です。ここにできた血栓が血流にのって脳に運ばれ、アテローム血栓性脳梗塞を起こすことがあります。血栓が一時的に脳の動脈を詰まらせた場合は、前ぶれの症状である一過性虚血発作(TIA)を起こします。本格的な脳梗塞を引き起こす前に治療を開始することが大切です。

      治療では主に、血栓をできにくくする抗血小板薬などが使われます。高血圧、糖尿病、脂質異常症などがあれば、それらの状態をコントロールするとともに、喫煙習慣のある人は禁煙する必要があります。頚動脈の動脈硬化がかなり進んでいる場合は、動脈を広げる手術が行われることもあります。

      頚動脈は、心臓の周りの冠動脈や、下肢の動脈と同じ構造の動脈で、動脈硬化の進行も同じ状態になりやすい傾向があります。そのため、頸動脈狭窄のある人は、冠動脈や下肢の動脈硬化も進んでいると考えられます。脳梗塞だけではなく、心筋梗塞や下肢の閉塞性動脈硬化症などの危険性も高まっている可能性があるのです。頸動脈狭窄の可能性がある人は、定期的に検査を受けたほうがいいでしょう。

  • 未破裂脳動脈瘤が見つかったら?
    • Q18.MRI検査で、脳の動脈瘤が見つかりました。とても驚きましたが、頭も痛くないし、これといった症状はありません。動脈硬化があっても自覚症状はないのですか?また、治療は必要ですか?

      A18.ほとんどは無症状だが、破裂しないうちに治療を


      破裂する前の動脈瘤を「未破裂動脈瘤」といいます。ほとんどの場合は破裂するまで症状はありません。しかし、動脈瘤の血管壁はふくらんで薄くなっているため、そこにかかる血圧が少し高くなっただけで破裂しやすく、くも膜下出血を起こします。破裂しないうちに治療を開始することが大切です。

      未破裂脳動脈瘤がある人は、人口の5%とされ、そのうち2割程度の人が、くも膜下出血を起こすとされています。多くはMRIなどの脳の画像検査で発見されます。

      未破裂脳動脈瘤が見つかったら、医師の指示に従って、破裂しないように治療を受けていきます。主に血圧管理などの内科的治療が行われます。また、動脈瘤の根もとにクリップをかけたり、動脈瘤の中にコイルを詰めたりして、破裂を防ぐ外科的治療が行われることもあります。

抗血栓薬の副作用が心配です

  • 出血になどんな注意が必要?
    • Q19.半年ほど前に、母が脳梗塞を起こし、現在は再発予防のためにクロピドグレルを服用しています。医師からは、出血を起こしやすくなるので注意するようにと言われました。具体的には、どんな危険があるのですか?

      A19.皮下出血などが現れたらすぐに医師に報告


      クロピドグレルは、チエノピリジン系と呼ばれる抗血小板薬です。同系統のチクロピジンやアスピリンに比べると副作用が少ないといわれ、広く使われています。

      しかし、血液を固まりにくくすることで血栓ができないようにする、というメカニズム上、出血のリスクを完全に避けることはできません。これは抗凝固薬を含め、すべての抗血栓薬にいえることです。

      クロピドグレルの場合も、脳出血や消化管出血などが報告されていますが、頻度はまれです。比較的多いのは、歯磨きの際の歯ぐきからの出血、軽くぶつけたときの皮下出血などです。こうした症状がみられた場合には、速やかに医師に報告して下さい。

  • シロスタゾールの注意点は?
    • Q20.昨年、アテローム血栓性脳梗塞を起こしました。幸い重い後遺症もなく、今は再発しないようにシロスタゾールを服用しています。この薬は、どんな点に注意が必要ですか?

      A20.血管拡張作用によって頭痛や動悸が起きやすい


      シロスタゾールは血液を固まりにくくする作用のほかに血管拡張作用もある薬で、手足の冷えや痛みなどにも用いられます。血管を拡張して血流量を増やすことで脳梗塞を予防するのが、その半面、しばしば頭痛や動悸、不整脈などが起こりやすいという問題があります。頭痛が続く場合には、安易に市販の鎮痛剤を服用したりせずに、必ず主治医に相談して下さい。

      また、この薬は、心臓に負担をかけることから、まれに狭心症や心筋梗塞を起こす場合もあります。医師の指示に従って正しく服用するとともに、異常がみられた場合は、速やかに医師に報告して下さい。

  • 服用量が変わるのはなぜ?
    • Q21.数年前からワルファリンによる抗血栓療法を受けていますが、その間、何度か服用量が増えたり、減ったりしました。再発の危険性が高くなったりしたために、服用量が変更されたのでしょうか?

      A21.薬の効果に応じて服用量が変更される


      ワルファリンは、すぐれた抗凝固薬ですが、いくつか注意点があります。そのひとつが、薬の効果がそのときどきで変化することがあるという点です。服用量は変わらないのに効果が強くなりすぎたり、不十分になったりすることがあるのです。適切な効果が発揮されるための服用量が把握しづらく、効果が不十分であれば脳梗塞を、強すぎれば脳出血を引き起こすおそれがあります。

      そのため、定期的に血液検査を行う必要があり、効果が弱まったり高まったりしている場合には、それに応じて服用量が調節されるのです。このように慎重に治療効果をチェックして服用することで、ワルファリンで、大量出血を起こすリスクは、きわめて低くなると考えられています。

  • なぜ納豆は食べてはいけない?
    • Q22.ワルファリンを服用しています。服用中は、納豆を食べないように指示されました。なぜでしょうか?

      A22.ビタミンKによってワルファリンの効果が低下


      ビタミンKがたくさん含まれているからです。ビタミンKは、血液凝固因子の合成を促進する働きをもっています。ワルファリンは、そのビタミンKの働きを邪魔することで、血液を固まりにくくさせる作用があります。

      したがって、ビタミンKを多く含む納豆を食べると、その分だけワルファリンの働きが相殺され、効果が弱まってしまうため、食べてはいけないのです。ホウレンソウなどの緑黄色野菜、緑茶なども、ビタミンKを多量に含んでいるので、過剰摂取には注意して下さい。

  • 腎機能低下と副作用の関係は?
    • Q23.祖父は脳梗塞を起こし、抗血栓療法を受けています。これまでダビガトランを処方されていましたが、腎機能が低下しているからと、ワルファリンに変更されました。腎機能とどんな関係があるのでしょうか?

      A23.薬の排泄が不十分だと重い出血が起こりやすい


      ダビガトランはリバーロキサバンとともに、こまかな服用量の調整、相互作用の多さなど、ワルファリンの弱点を解消する薬として登場した薬です。しかし、実際に使用してみると、高齢者など腎機能が低下している人に、消化管出血などの重い出血を起こすことが分かってきました。これは、腎機能の低下によって薬の排泄が十分に行えず、薬の効果が強まりすぎてしまうためと思われます。

      ワルファリンにも同様に出血リスクはありますが、薬の効き具合を定期的にチェックするモニタリング法が確立しているので、きちんと検査を受ければリスクを回避できます。しかし、ダビガトランは、モニタリング法が現在のところ確立していないため、主治医がワルファリンを選択したものと思います。