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なぜ「ヨガ」は健康に良いといえるのか

なぜ「ヨガ」は健康に良いといえるのか〜ウッズに学ぶ「深い呼吸」

ヨガと健康

私たちの体は、速く動かせば動かすほど呼吸が荒くなります。呼吸が荒くなると、呼吸の回数が増えるので、より多くの酸素を取り込んでいるような気がしますが、それは大きな勘違いです。実際には、体の中に取り込まれる酸素の量は減少しています。なぜなら、回数は多くてもひとつひとつの呼吸が「浅い呼吸」になってしまうからです。

呼吸が自律神経と関係するのは、血管を収縮・拡張させるのが自律神経だからです。基本的に、交感神経が優位になると血管は収縮し、副交感神経が優位になると血管は拡張します。そのため、体が酸素不足を感じると、末梢の血管を収縮させるために、交感神経優位の状態になり、酸素の量が増えると、反対に副交感神経優位の状態にして血管を拡張させるのです。

ただし、このときの変化は、交感神経が上下するのではなく、副交感神経が上下することで自律神経のバランスを調節します。ですから、呼吸浅くなったことによる「交感神経優位の状態」では、副交感神経が低下してしまうので、実力が発揮できない状態になってしまうのです。

タイガー・ウッズ

私たちは、何か物事を失敗したり、思わぬ出来事に遭遇したときに、ドキッとして慌てふためいたり、焦って「せかせかした動き」をしてしまうものですが、そんなときこそ、ゆっくりゆ〜っくり動くことを心がけましょう。多くの方がご存知だと思いますが、ゴルフの世界にタイガー・ウッズという非常に有名な選手がいます。あの石川遼選手がタイガー・ウッズと初めて一緒にラウンドしたとき、記者に感想を聞かれ、次のように答えました。

もっとも影響を受けたのは、タイガーの姿勢の美しさでした。スイングのときも歩くときも背筋がピンと伸びていて、是非見習いたいと思います。

いやはや、さすが、石川選手だと思いました。実は、タイガー・ウッズの歩き方は、自律神経のバランスを整えるのに適した、理想的な歩き方なのです。

石川選手は、ウッズの歩き方で姿勢の良さに着目していますが、彼の歩き方には姿勢のほかにもうひとつ、自律神経を整えるうえで大変重要な要素が含まれております。それは「ゆっくり動く」ということです。

タイガー・ウッズは背筋が伸びた状態で腰骨からゆっくり前に出すような歩き方をしています。この「背筋を伸ばしてゆっくりと歩く」というのが、自律神経のバランスを安定させる最高の歩き方なのです。

では、背筋を伸ばしてゆっくり歩くとなぜ自律神経が安定するのか?まず、「背筋を伸ばす」のがいいのは、「気道」が開くからです。気道が開くと呼吸をしたときに肺に入ってくる酸素の量は増えます。

私たちの体はとても敏感で、入ってくる酸素の量が減ると、大切な脳に優先的に酸素を送るために全身の末梢血管を収縮させます。つまり、末梢へ流れる血流を制限することで、脳に送る血液の量を増やすのです。そのため私たちの体は、低酸素状態になると、末端が冷えたり、感覚が鈍ったり、痺れが生じたりしてうまく動かなくなってしまいます。

逆に入ってくる酸素の量が増えると、末梢の血管は拡張します。末梢の血管が拡張すると、隅々の細胞にまで血流とともに酸素と栄養が行き渡るので、全身の動きが良くなります。

背筋を伸ばすだけで本当にそんなに体の状態が変わるのだろうか、と思うかもしれませんが、胸を張って前を見るか、うつむいて下を見るかだけでも、気道の広さによって体に入ってくる酸素の量は激変します。そして、体に入ってくる酸素の量が変わると、一瞬で体中の末梢血管の状態が変化します。

タイガー・ウッズの歩き方が自律神経のバランスを安定させるのは、「深い呼吸」が維持されることによって、副交感神経が高いレベルで維持されるからなのです。タイガー・ウッズは、自分の歩き方がパフォーマンスを引き出す効果を持っていることを理解したうえで、意識的に行なっています。その証拠に、彼の歩き方はどんな状況でもほとんど変化しません。スコアが良くても悪くても、良いショットを打ったあとも、そうでないときも、胸を張ってゆっくりと歩きます。

私もそうですが、人は普通、焦ると動きがせかせかと速くなります。その結果、焦れば焦るほど、呼吸が浅くなって副交感神経が低下し、本来の力が発揮できなくなってしまうのです。

焦るとミスが増えるのは、この「せかせかした動き」が副交感神経を低下させ、自律神経のバランスを崩してしまうからです。

タイガー・ウッズのこうした歩き方は、おそらくヨガから学んだものと思われます。彼がヨガをトレーニングに取り入れていることは有名ですが、ヨガの基本は「深い呼吸」にあるからです。

ヨガは古代インドで生まれた修行法です。古代の人たちは、なぜ「深い呼吸」が体に良いのか、その理由は分からなくても、それが自分の心身に宿る潜在能力を引き出す最良の方法、つまり、深くゆっくりした呼吸が自律神経のバランスを整える最良の方法だということを経験を通して知っていたのです。

なぜ、ヨガは健康にいいのか。それは深い呼吸を通じて、自律神経のバランスを整えるから、というわけです。

そう考えると、子どものときに何か焦ったりして慌てふためいていると、母親が「大丈夫、大丈夫、落ち着いて、ゆっくり深呼吸して」と言ってくれていたのは、実は理にかなった的確なアドバイスだったといえます。もちろん、母親は「ヨガ」とか「深い呼吸」「副交感神経」が何たるものかは知らないと思いますが・・・。


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